心臓血管外科領域
CABG術後や下肢末梢血管術後などの一次縫合創におけるiPICO♢ エビデンスサマリーを紹介しています。
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フランスの単一施設で実施された後ろ向きコホート研究
CABG手術後の創合併症(SSC:Surgical site complications)と縦隔炎の発生率、さらにコスト削減についてPICOと標準ドレッシングを比較した。
- PICO群 n=142 vs 標準ドレッシング群 n=91
結果
■ 術後創合併症(SSC)
PICO:6.3% vs 標準ドレッシング:17.6% 👉 SSCの発生率は 64.3%減少した(p=0.009)
■ 縦隔炎
PICO:3.5% vs 標準ドレッシング:11.0% 👉 縦隔炎の発生率は 68.2%減少した(p=0.029)
■ 術後創合併症率減少に伴う費用対効果
PICO使用により、1人あたり推定 €1,295(≒16.8万円※)のコスト削減が見込める
※1ユーロ≒\130円(2021.April)として計算
Reference
Tabley A, et al. A Survey of Cardiac Surgery Infections With PICO Negative Pressure Therapy in High-Risk Patients. Ann Thorac Surg. 2020; 110: 2034-2040.
冠状動脈バイパス術を受けた80例のランダム化比較試験
Off-pump CABG手術を受けた患者を対象に、従来のドレッシングとPICOにおいて術後創合併症、表層感染の発生率を比較した。
PICO n=40 vs 従来のドレッシング n=40
結果
■ 術後創合併症
PICOコントロール群と比較してPICO群は有意に少なかった:25% vs 7.5% (p=0.0339)
■ 表層感染
コントロール群に対してPICO群で有意に低下した:17.5% vs 2.5% (p<0.0254)
PICO 創傷治療システムの使用により、Off-pump CABG手術後の創合併症(SSC)の発生率が70%、表層SSIの発生率が86%減少した。
Reference
Witt-Majchrzak, A, et al. Preliminary outcome of treatment of postoperative primarily closed sternotomy wounds treated using negative pressure wound therapy. Polish Journal of Surgery. 2015; 86(10): 456-465.
鼠径部の血管手術後の切開創に対しPICOまたは標準ケアを受けた患者 スウェーデンの単一施設でのRCT
鼠径部に切開を伴う血管手術を受けた139名の患者に対し、術後90日間までに発生した手術部位感染症(SSI)を評価
ー 片側の鼠径部の切開 120名:PICO群 n=59 vs 標準ケア群 n=61
ー 両側の鼠径部の切開 19名 :PICO群(右)n=19 vs 標準ケア群(左)n=19
結果
■ SSIの発生率(CDC診断基準)
PICO使用により、標準ケアと比較しSSIが減少した
ー 片側:PICO群 11.9% vs 標準ケア群 27.9% (p=0.039)
ー 両側:両側: PICO群 5.3% vs 標準ケア群 26.3% (p=0.125)
■ その他の術後創合併症
再手術、血腫、漿液腫、創離開 術後30日の再入院)の発生率には差がなかった。
Reference
Hasselmann J, et al. Inguinal vascular surgical wound protection by incisional negative pressure wound therapy. A randomized controlled trialーINVIPS Trial. Ann Surg. 2020; 271(1): 48-53.
単一施設で実施された遡及的分析
下肢の末梢血管手術を受けた患者で術後最大6週間までに発生した創傷合併症を評価
ー PICO群 n=73 vs 標準ドレッシング群 n=78
結果
■ 術後創合併症
PICOの使用により、標準ドレッシングと比較して、術後創合併症を57%減少した(p=0.042)
■ セローマ(槳液腫)
PICO群:1.4% vs 標準ドレッシング:7.7% 👉 PICO群では、セローマの発生率は低かった(p=0.069)。
■ 創合併症発症後の治癒日数
PICO群:平均53日 vs 標準ドレッシング群:平均96日 👉 治癒までの平均日数は短縮された(p=0.015)。
Reference
open access:Fleming CA, et al. Routine use of PICO dressings may reduce overall groin wound complication rates following peripheral vascular surgery. J Hosp Infect. 2018; 99: 75-80.
CABG手術を受けた患者のSSI予防に対し、費用対効果について標準ドレッシング群とPICO群でシミュレーション分析
ー SSC、再手術、在院日数、再入院率のベースラインデータはドイツにおけるCABG 2,621例の単一施設の前向き観察研究から引用
ー 想定されるコストの算出については、関連する診断データベース及び文献等を引用
ー 従来群に対するiNPWTの効果に関するデータはポーランドにおけるCABG 80例に対するRCTの結果を引用
結果
■ 入院費用
PICO群:€19,986 vs 標準ドレッシング群:€20,572
ー ハイリスク患者(BMI≥30kg/m2、糖尿病および喫煙者)では、PICO使用により標準リスクの患者と比較して標準ドレッシングよりも、患者一人当たり€586のコストの削減ができた。
■ QALY
PICO群:0.8904 vs 標準ドレッシング群:0.8593
ー 患者一人当たりのQALYをPICO群では0.311改善するとことができた。
・ 術後創合併症発生と医療経済性
・ ハイリスク患者の危険因子
・ 術後縫合創(切開創)へのNPWTの有用性、作用機序 など
をまとめています。